聞き取り困難症とは？Ploud Note・Nottaで補うAI文字起こし支援の実例

第1章｜聞き取り困難症（LiD/APD）とは？—周囲に理解されにくい“見えない障害”

「聞こえているのに内容がわからない」——それは怠けでも気のせいでもありません。聞き取り困難症（LiD/APD）は、音は入っていても脳の音声処理がうまく働かず、言葉の意味として捉えにくい特性です。

場面：ノビオとマツ姐がカフェで雑談。ノビオが最近読んだ記事をきっかけにLiD/APDの話へ。

ノビオ：「先生の声だけが聞き取れない」「録音なら理解できるのに、リアルタイムだとわからない」——読んでいて胸が苦しくなったよ。

マツ姐：耳は正常でも、“意味に変換する過程”が難しい状態ね。見た目で分かりにくいから誤解されやすいの。

この特性はAPD（Auditory Processing Disorder）／LiD（Listening Difficulties）とも呼ばれます。日本医療研究開発機構（AMED）の「診断と支援の手引」（2024）が公表され、日本でも診断・支援の枠組みが整い始めました。

診断の基本条件（例）

つまり「耳=OK」でも、言葉の理解に必要な中枢処理が難しい場合がある、ということです。国内推計には幅がありますが、見えにくい困難が広く存在することは確かです。

ノビオ：努力不足じゃないって、ちゃんと伝えたいよね。

マツ姐：うん。「脳の処理のちがい」だと理解されれば、環境調整（配慮）の話に進めるわ。

診断には専門検査（例：APTなど）を用いて、音を“意味として処理できるか”を評価します。支援が整うまで時間を要する例も多く、その間を埋める実用ツールが役立ちます。次章で紹介します。

PLAUD NOTEは、録音しながらリアルタイムで文字化できるAIツール。LiD/APDでは視覚（文字）からは理解しやすいケースが多く、音→文字の補助が学習・就労の安心につながります。

ノビオ：「すぐ読める」がポイント。録るだけだと追いつけないけど、文字なら理解が戻る。

マツ姐：「聞き逃し不安」も下がるわね。支援が整うまでの“橋渡し”にもなる。

録音許可が得られるまで数か月要した例も。「聞き逃しの恐怖が減って、授業に集中できた」という声は少なくありません。今すぐ本人が導入できる支援である点も大きな価値です。

Notta（ノッタ）は、音声を議事録形式に自動整理するAIサービス。話者識別・要約・クラウド連携で、Zoom/Teams等のオンライン会議にも強いです。

Web会議にNottaを起動すれば、リアルタイムで文字起こし＋要約。

LiD/APDの「後から読めば理解できる」という強みを活かし、情報参加のハードルを下げます。

自分が参加する会話の録音自体は一般に違法ではありませんが、無断記録の共有・公開はプライバシー侵害や不法行為のリスク。事前に録音の旨を伝え、明示的な同意を得ましょう。個人情報の取り扱いにも注意が必要です。

会議録音は機密・個人情報を含みがち。社内規程の遵守と合わせ、障害者差別解消法（2024改正）による合理的配慮の提供義務を踏まえ、人事・上長の同意を取得して運用しましょう。

まとめ（法・制度）：①同意の取得 ②学校は許可申請 ③企業は規程遵守＋同意 ④個人情報配慮 ⑤目的（支援）を丁寧に共有

PLAUD NOTEは授業・講義向け、Nottaは会議・共同作業向けと相性が良好。“今すぐ本人が導入できる”から、周囲に言い出しづらい人でも始めやすいのが強みです。

ノビオ：「助けて」を言えない時でも、アプリなら自分で始められる。
マツ姐：それが今どきの配慮。自分で自分を支える力だね。

録音・保存・共有は同意・規程の確認が前提です。詳しくは第4章へ。

ノビオ：会議がこわかったけど、「読める安心」があるだけで全然違った。
マツ姐：AIは便利だけじゃない。“心にやさしい道具”にもなるのよ。